補気薬


重要補気薬

人参にんじん
甘 平 脾肺心 ウコギ科オタネニンジンの根
人参 ニンジン

  1. 大補元気
  2. 人体生存の根本的気(元気)を大いに補い、気の流出を防ぎ(固脱)、元気を回復させる[独参湯]

  3. 補脾益肺
  4. 脾胃の気の機能を高め(補脾)、肺気を補い満たす(益肺)
    脾虚証には[六君子湯]脾陽虚の冷感、水様便などには[人参湯,桂枝人参湯]中気下陥には[補中益気湯]

  5. 益気生津
  6. 気を補うことで同時に津液をより潤し(生津)口渇を止める
    熱病の気虚傷津による熱感・口渇など[白虎加人参湯]

  7. 益智安神
  8. 気を補うことで心神の安定を図り見識力を高める[帰脾湯,清心蓮子飲]

黄耆おうぎ
甘 微温 脾肺 マメ科ナイモウオウギまたはキバナオウギの根
黄耆 オウギ

  1. 補気升陽
  2. 脾気を補うとともに、上昇力の低下した脾気の精気(中気下陥)を持ち上げる。[補中益気湯]また補気により血の経絡よりの流出を防ぐ(摂血)[帰脾湯]

  3. 固表止汗
  4. 肺気を補い、湊理を密にして衞氣を機能を高める(固表)[黄耆建中湯]

  5. 利水消腫
  6. 脾の機能を高めることで利水する。[防已黄耆湯]

  7. 托毒排膿
  8. 『瘡家』の聖薬といわれ、正気を高めることで排膿を促進し(托裏)、創傷や皮膚化膿症の治癒を促進する(生肌)

キバナオウギ 黄耆

黄耆・小太郎漢方製薬©

補気健脾薬

白朮びゃくじゅつ
甘苦 温 脾胃 キク科オケラまたはオオバナオケラの根茎
白朮 ビャクジュツ

  1. 補脾益気
  2. 脾胃の気をよく補いその機能を高めてよく補気し、またよく燥湿する。[六君子湯]

  3. 燥湿利水
  4. 燥性があり、健脾作用により体内停滞の湿、痰飲を除く
    痰飲に対して[五苓散][苓桂朮甘湯]
    脾虚生痰によるめまい・頭痛などには[半夏白朮天麻湯]

オオバナオケラ 白朮

白朮・小太郎漢方製薬©

山薬さんやく
甘 平 脾肺腎 ヤマノイモ科ヤマノイモまたはナガイモの周皮を除いた根茎
山薬 サンヤク

  1. 補脾胃・養陰
  2. 脾気の気を補いその機能を高めて補気する。潤性があり、脾気とともに脾陰も補い、また渋性がありよく止瀉、止帯する。[啓脾湯]

  3. 益肺腎陰
  4. 肺気を補うとともに肺陰をも補う。肺陰虚の慢性が移送、息切れなどにも使用。
    腎陰を補う。腎虚による遺精・頻尿・腰下肢倦怠無力・めまい・ほてりなどに使用される。薬力は弱く他の補腎薬を配合する。[六味丸]

甘草かんぞう
甘 平 脾肺心 マメ科カンゾウなどの根およびストロン(つる性の茎)。炙甘草は甘草を炙ったもの。
甘草 カンゾウ

  1. 補気心脾
  2. 脾胃や心気の機能を補い、脾虚や心気不足を改善する。[四君子湯][炙甘草湯]

  3. 潤肺止咳
  4. 潤性があり、肺を潤し止咳する。[麻杏甘石湯][小青竜湯]

  5. 清熱解毒
  6. 良好な解毒作用を有する。[甘草湯][桔梗湯]

  7. 調和
  8. 薬物の毒性や薬性を緩和する。特に附子や乾姜の熱性や傷陰の緩和に適する。また食中毒を緩和する。

大棗たいそう
甘 温 脾胃 クロウメモドキ科ナツメなどの果実
大棗 タイソウ

  1. 補気補脾
  2. 脾胃の機能を弱める。甘草に比べ脾を温め機能を高める。

  3. 養血安神
  4. 補気とともに血を補い、心神を安定させ、肝経の急迫を治する。[帰脾湯][甘麦大棗湯]

  5. 薬性緩和
  6. 特に脾胃の保護作用に優れる。また解表薬に配合され、脾胃の機能を調節し止汗による傷陰を防ぐ。

膠飴こうい
甘 温 脾胃肺 イネ科の粳米、小麦の種子に麦芽を加えて糖化させた飴
  1. 補中緩痛
  2. よく脾気を補い温めて止痛する。脾胃虚証の胃痛・腹痛・食欲不振・倦怠感などに使用される。[小建中湯][大建中湯]

  3. 潤肺止咳
  4. 肺陰虚による、咳嗽・少痰や無痰・息切れなどに使用される。

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